中国で高齢者のワクチン接種が進まない理由と中国人の健康概念

東洋医学
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ゼロコロナ反対運動を受けて新たに発布されたコロナ感染対策政策

11月末に各地でゼロコロナ反対運動が起きた中国では
12月7日、新しいコロナ感染対策政策が発布されました。

国务院联防联控机制综合组发布《关于进一步优化落实新冠肺炎疫情防控措施的通知》
具体如下:

(一)科学精准划分风险区域
按楼栋、单元、楼层、住户划定高风险区,不得随意扩大到小区、社区和街道(乡镇)等区域。不得采取各种形式的临时封控。

(二)进一步优化核酸检测
不按行政区域开展全员核酸检测,进一步缩小核酸检测范围、减少频次。根据防疫工作需要,可开展抗原检测。
对高风险岗位从业人员和高风险区人员按照有关规定进行核酸检测,其他人员愿检尽检。
除养老院、福利院、医疗机构、托幼机构、中小学等特殊场所外,不要求提供核酸检测阴性证明,不查验健康码。
重要机关、大型企业及一些特定场所可由属地自行确定防控措施。
不再对跨地区流动人员查验核酸检测阴性证明和健康码,不再开展落地检。

(三)优化调整隔离方式

感染者要科学分类收治,具备居家隔离条件的无症状感染者和轻型病例一般采取居家隔离,也可自愿选择集中隔离收治。居家隔离期间加强健康监测,隔离第6、7天连续2次核酸检测Ct值≥35解除隔离,病情加重的及时转定点医院治疗。具备居家隔离条件的密切接触者采取5天居家隔离,也可自愿选择集中隔离,第5天核酸检测阴性后解除隔离。

(四)落实高风险区“快封快解”
连续5天没有新增感染者的高风险区,要及时解封。

(五)保障群众基本购药需求
各地药店要正常运营,不得随意关停。不得限制群众线上线下购买退热、止咳、抗病毒、治感冒等非处方药物。

(六)加快推进老年人新冠病毒疫苗接种
各地要坚持应接尽接原则,聚焦提高60—79岁人群接种率、加快提升80岁及以上人群接种率,作出专项安排。通过设立老年人绿色通道、临时接种点、流动接种车等措施,优化接种服务。要逐级开展接种禁忌判定的培训,指导医务人员科学判定接种禁忌。细化科普宣传,发动全社会力量参与动员老年人接种,各地可采取激励措施,调动老年人接种疫苗的积极性。

(七)加强重点人群健康情况摸底及分类管理
发挥基层医疗卫生机构“网底”和家庭医生健康“守门人”的作用,摸清辖区内患有心脑血管疾病、慢阻肺、糖尿病、慢性肾病、肿瘤、免疫功能缺陷等疾病的老年人及其新冠病毒疫苗接种情况,推进实施分级分类管理。

(八)保障社会正常运转和基本医疗服务
非高风险区不得限制人员流动,不得停工、停产、停业。将医务人员、公安、交通物流、商超、保供、水电气暖等保障基本医疗服务和社会正常运转人员纳入“白名单”管理,相关人员做好个人防护、疫苗接种和健康监测,保障正常医疗服务和基本生活物资、水电气暖等供给,尽力维护正常生产工作秩序,及时解决群众提出的急难愁盼问题,切实满足疫情处置期间群众基本生活需求。

(九)强化涉疫安全保障
严禁以各种方式封堵消防通道、单元门、小区门,确保群众看病就医、紧急避险等外出渠道通畅。推动建立社区与专门医疗机构的对接机制,为独居老人、未成年人、孕产妇、残疾人、慢性病患者等提供就医便利。强化对封控人员、患者和一线工作人员等的关心关爱和心理疏导。

(十)进一步优化学校疫情防控工作
各地各校要坚决落实科学精准防控要求,没有疫情的学校要开展正常的线下教学活动,校园内超市、食堂、体育场馆、图书馆等要正常开放。有疫情的学校要精准划定风险区域,风险区域外仍要保证正常的教学、生活等秩序。

簡単にいうと、
過剰な封鎖や全市民一斉PCRを行わず、
人民の移動の自由と生活を保証する。

まあ、ゼロコロナを実質諦めて
他の国同様Withコロナにするということなんだと思います。

(そもそも人類は古代から
ウイルスと共存してきたわけなので、今回に限って
Withコロナというのも変だと思ってますが)

この発布を受けて実際に中国の人民の暮らしに
変化があったかというと
わたし自身とTwitter上の情報によれば

確かに全員一斉PCRは無くなりました。
わたしの地域では12月7日まで1ヶ月程度ほぼ毎日強制
されていました。

そろそろ大学の学生が帰省の準備を始めているのですが
学校からは
”飛行機や汽車に乗る際に陰性証明と健康コードの提示を
求めない。出発前に検査するかどうかは自由。”と
通知がありました。

これはすごい変化です!

何だか乗り物に乗る前にPCRをして証明書をもらうことが
当たり前のようになっていたので
拍子抜けするくらいですね。

わたしももうすぐ一時帰国予定ですが
中国側で搭乗時に陰性証明を要求されなくても
日本入国時に求められるので検査を受けなければ
なりません。

入国後に滞在するホテルに
しかも全国旅行支援キャンペーンの対象ホテルを
選んだので、割引適用に陰性証明かワクチン接種証明が
必要だとあります。

あれ?

中国がゼロコロナをやめたら
日本が一番コロナ対策厳しい国になった?
まだ9割の人がマスク外してないらしいし・・・・

日本ではいったいいつになったら
自由に呼吸できるようになるのでしょうね。

それはさておき
ここでは六番の”老人のワクチン接種が進まない”
背景について、考察したいと思います。

中国で老人のコロナワクチン接種が進まない背景

新十条の(六)では
高齢者のワクチン接種を推進する、とあります。

世界の人口に対しワクチン接種が完了した人の割合で
中国は世界一になっています。

ところが、高齢者だけを見ると日本に及びません。

(出典: NRI 中国はなぜゼロコロナ政策をやめないのか

日本では高齢者こそ積極的にワクチンに
飛びつくのに対して

中国のお年寄りはどうして接種に積極的では
ないのでしょうか。

ニュース記事や各種サイトなどによると

  1. 高齢者は田舎に住んでいる人も多い。
    中国の田舎では医療サービスが十分ではなく接種が普及しにくい。
  2. 高齢者は体が不自由な人も多い。
    接種会場まで行くことが困難な場合がある。
  3. 中国の高齢者は西洋医療を信用していない。
    実際に偽薬やワクチンの不正などもあり、不信感を持つ人も多い。
  4. 体力がなく、持病もある状態でのワクチンの安全性や副反応を
    心配している。

このような理由が挙げられていますが
中でも3番については日本の高齢者との大きな違いだと
思うので、この点について取り上げたいと思います。

西洋医療に絶大な信頼を寄せる日本の高齢者と西洋医療を信用していない中国の高齢者

中国の伝統医学といえば
そう、中医学ですね。

日本の漢方は中医学に日本独自の要素を加えたものだと
されているので、完全に同じではありません。

わたしの夫は中医医科薬科大学に通っていたことがあり
叔母さんは台湾の中医でした。(もう亡くなりました)

わたし自身も中医学に興味があり
中国の大学のオンライン授業で学んだこともあります。

45年の人生における様々な経験と学んできた知識から
わたしは東洋医学派で、中国の高齢者と同じように
西洋医学を信用していません。

というより、そもそも東洋医学と西洋医学では
根本の考え方が違うので
信じる信じないというよりどちらの考え方が
ふに落ちるか、ということかもしれません。

東洋医学と西洋医学は根本的な考え方が違う

東洋医学は根幹療法と予防医学
西洋医学は対処療法

わたしは医者でも薬剤師でもありませんので
詳しいことはわかりません。

素人が少し知識をかじっただけですが、
自分の体の声に非常に素直に生きている人間なので
”しっくりくる”方を常に選んでいます。

西洋医学の対処療法は
悪いところを切除する、薬でウイルスや細菌、
変化した細胞などを攻撃し、やっつける。
病気の症状を抑え込む。

腫瘍ができたら手術で切除、
癌細胞ができたら抗がん剤で攻撃、
熱が出たら解熱剤
下痢が始まったら下痢止め
咳が出たら咳止め

こう書くと、なんだか攻撃的で
非常に西洋的だなあ、と思いませんか?

出ようとするものを止める。
上がるものを下げる。
膨らむものを切り取る。

わたしが体の細胞なら
悲鳴を上げて逃げまわります。

襲われたら逃げるのが生き物のサガですよね。

封鎖されたら不快に感じるのと同じように
細胞も外から無理やり封鎖されたら
不快に感じて反発するんですよ。

だから、解熱剤や下痢止めは使う相手や
タイミングによっては却って
症状を悪化させ、死に至らしめることもあります。

癌は抗がん剤治療で悪化する、と本を出している
お医者さんもいます。

それに対し、東洋医学は
”病は体の気の巡りが悪くなることから起こる”と考え

体を温めたり、ほぐしたりすることで気の巡りと
血行を促進し、病を防いだり治したりします。

根本思想は、
人間の体は元来健康であり
自然治癒力が備わっている。

生活習慣や加齢によってその力を妨げている原因を
取り除けば体はまた健康に戻り、それを保持できる、

とするものだとわたしは理解しています。

中国人の日常に根付いている中医学

中国古来の中医学は中国人の日常生活に
根付いています。

目が腫れていると
「你上火了」などと言われ、体の熱を取る
オススメのお茶を紹介されたり、

台湾で夜にもらったライチを食べすぎて
具合が悪くなった時なども
ライチは体に熱がこもるから寝る前に食べてはダメだと
言われたり

年配の方だけでなく、若者も大抵は
東洋医学や薬膳の知識があるようです。

漢方薬を飲むことももちろんありますが
基本的にはお茶や食べ物で予防や治療をするのが主流、

さらに病院で処方されたり薬局で売っているいわゆる
「薬」も漢方薬がほとんどという印象です。

病院には西洋医学と中医学がミックスされている「総合病院」と
中医学専門の「中医医院」があり、選んで行くことができます。

中国人は体を冷やさないために
冷たい水を飲みませんし
赤ちゃんに靴下を履かせてなかったから
通りすがりのおばさんにやたら注意される、なども有名な話かも
しれません。

中医学の教えは何千年にも渡って
中国の人々の細胞に染み渡っていると言えます。

なので、西洋の人工化学物質である薬や
ワクチンなどに対する信仰度はどうしても低いのでしょう。

実際に中医学を実践して健康に高齢者になった方々は
今更誰かに勧められたからといって西洋医学のものを
信じるとは考えにくいです。

私個人としては
中医学の伝統はなんとしてでも死守していただきたいと
思いますし、

それでこそ、中国の人々の生命力、活力がある
思うので、絶対に西洋医学に負けてはならないと
思っています!

 

 

 

 

 

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