ニイハオ。
私は日本と台湾のハーフと結婚し6年間結婚生活を送りました。元夫は母親が台湾人です。ゆえに私は6年間台湾人の家族がいました。
そんな私がみた中華の人々の家族意識について書いてみたいと思います。
「ウチ」「ソト」の意識
中華の人々には「ウチ・ソト」という意識があります。ウチは家族、ソトは家族以外の他人のことです。中国語では身内は「家人」(ジャーレン)他人は「外人」(ワイレン)と言います。そのまんまですね。
もちろん日本人もウチソトの意識がありますね。最近の日本の家族関係の希薄化とは対照的に中華の人々の家族の繋がりは依然として強いです。
家人のことはとても大切にして外敵から徹底的に守ります。(客家の土楼が象徴するように)おしゃべりな印象の中華民族ですが外人には大事なことは言わないし冷たい顔もあったりします。
日本人は逆に家の中では横暴で気を抜いていて外向きには丁寧で気を遣う人が多いんじゃないでしょうか。
嫁は大歓迎される
「嫁」という立場は「ソト」から「ウチ」に入るわけですが、基本的に息子をとても大事に思っている人が多いので息子が愛して息子を愛してくれる人だから嫁のことはすんなり大歓迎で「ウチ」に入れてくれる気がします。
中華民族の間ではいまだに男尊女卑傾向が残っています。子どもの中で男の子を大事にするってやつです。
大事にするやり方が間違っていることも多々あるようですが顕在意識としては大事に思っています。
私も義母には大歓迎されお金持ちの家だったので高級なジュエリーやら数珠やら(苦笑)いろいろもらいました。
台湾に住む親戚の家に結婚後に初めて行った時は叔母に「あなたはもう家人なんだから気を遣わなくていいのよ」と少しこわばった笑顔で言われました。
叔母は外国人の嫁っていうのもあるし自分の息子が私の元夫より年上なのに女っ気がないことを
気にしていたのでちょっと顔が引きつっていたのかな?と思いますがそれでも「家人」と言ってくれました。
夫のいとこたちも表面上は家人として大切にしてくれました。表面上は、というのはやっぱり心から家族とお互いに思うにはもう少し会う機会や時間が必要かな、と思うからです。
私の経験からも、周囲の台湾人や中国人の嫁になった人をみても、日本のように「嫁いびり」はないように思えました。割と、大歓迎されて大切にされる。
お節介な部分はあるにしても人懐こくて大切に思ってくれているのは伝わるので、私は義母が大好きでした。
そんな義母は日本に住んで40年でしたが日本人は冷たい。友達になれない。家族として受け入れてくれない。と常にぼやいていました。
一緒に食事することが大事
中華の人々の「ウチ」に入るには食事を何度か一緒にする必要があります。彼らは「食」をとても大切にしています。
日本でも「一緒に鍋をつついた仲」なんて言いますよね。
家族にしても友人にしてもビジネスパートナーにしても何度か一緒に食事をしたりお酒を飲んだりして初めて「ウチの関係」になれる。
挨拶は「もうご飯食べた?」「吃飯了嗎?」(チーファンラマ)です。これが「おはよう」みたいな挨拶だと大学の中国語の先生に繰り返し教えられたので衝撃的で忘れられません。
彼らは一度「ウチの関係」になるととっても親切です。親身です。喜んで送迎してくれたり贈り物をしてくれたり困った時に助けてくれたり。
貸し借りの関係を作りたくない、なんて言いません。
家族みんなと行動するのが好き
日本に旅行に来る中国人は大人数のグループという印象があるのではないでしょうか。そのグループは大家族のことが多いです。3世代とか両家の両親と、とか。
日本でも盆と正月には親族が集まったりしますが中華圏でも旧暦の正月にはすごい人数が集まってわいわいやってます。
私の実家は小さい頃以外は正月にも親族がみんな集まることがなくて、基本4,5人の少人数なので10人以上ワイワイやっているのが羨ましい気持ちがあります。
親を大切にする
中華の人々は子供に投資して老後に回収する、という意識があります。(全員とは言いませんが)
子供には衣服や教育や食べ物でうんと投資して老後は金銭面でも肉体面でも面倒をみてもらう気満々です。社会人になってからも親と同居している人も多いです。
日本と少し違うなあ、と思うのは、1棟のアパートやビルを購入して1階がお店、2階が親の住居、3、4階が子供たち。5階が賃貸物件。みたいにしている人がゴロゴロいることです。
私が台湾で2年間住んでいたアパートもこのスタイル。元夫の実家も親戚の家もこのスタイル。
だから母の日には結婚している子供たちも全員集合して(というか元から同じアパートや近所に住んでる)食事会をしていました。
親孝行だなあ、って海外に暮らして母の日にはせいぜい贈り物をするくらいの私はしみじみ思いました。自分が歳をとったらこんな風にしてもらえたら嬉しいだろうなあ、って思います。
だけど子どもの側からすると現代社会、特に都会では親と同居や近くに住まなければならない圧力は
しんどい場合も多くて、海外移住に憧れている人も実際に出て行く人も増えているし親のことで苦しんでいる人も多いです。しんどくても日本より親の側にいろ圧は強いようです。
文化や概念の違いはあっても仲良し家族もいれば疎遠な家族もいる。親元を離れる人もいればずっと側にいる人もいる。
私は実の親のそば、故郷を離れているし離れたい人ですが一方で中華の大家族のように円卓を囲んで母の日や誕生日をワイワイお祝いすることに憧れてもいます。