中国 全ての公立の小中学校で外国の教材の使用禁止
香港(CNN) 中国当局はこのほど、国内の全ての公立小中学校で外国の教材を使うことを禁止する指針を発表した。対象となるのは教科書や名作小説などで、専門家からは思想的統制を強化する試みとの見方も出ている。
この指針は教育省が7日に発表したもので、学校で使う教材は「マルクス主義の指導原則を強調して、中国のやり方を反映する」必要があると規定した。
通達文では、生徒たちが「中華民族復興の大きな責任」を担えるよう、「小中学校で使う全ての教材に党と国の意思を反映しなければならない」としている。
ただし、外国の教育機関と共同で授業を行う高校には例外が適用される。
教育省はまた、教材の審査制度の厳格化も表明。「政治的な方向性や価値指向の問題」を含むとみなした場合には承認しない方針を示した。主権や宗教といった重大な思想的原則を扱う教材については、当局が執筆して学校に直接配布する。
国家教材委員会の報道官は共産党機関紙・人民日報の取材に、今回の措置について、教育制度に対する共産党の影響力を強固にする狙いがあると説明した。次の段階としては「中国思想を体系化し、マルクス主義理論の研究に関する教材の作成を加速させる」方針だという。
引用元:CNN.co.jp
上海市、小学校の英語試験を禁止 「習近平思想」が必修科目に
上海市教育委員会はこのほど、市内小中学校の必修科目に「習近平思想」を加え、青少年に対する思想教育を強めている。一方、小学校の期末試験の教科から英語を除外することを決めた。米中対立の長期化を背景に、習近平政権が鎖国を始める兆候だとの見方がある。
同市教育委員会は3日、2021年度小中高校のカリキュラム計画に関する通達を公布した。当局は、小学校の「3、4、5年生の期末試験の教科は国語と算数に限る」と英語の除外を定めた。
在米中国人学者で、中国の「文芸理論および批判」雑誌出版社の元社長である呉祚来氏は、「多くの人が英語の新聞、あるいはネット上の英語の投稿が読めて、情報を得られることは、全体主義の中国共産党当局にとって脅威であろう。英語教育を弱化することで、中国国民と国際社会のつながりを希薄化できる」と指摘した。在米中国人学者で、中国の「文芸理論および批判」雑誌出版社の元社長である呉祚来氏は、「多くの人が英語の新聞、あるいはネット上の英語の投稿が読めて、情報を得られることは、全体主義の中国共産党当局にとって脅威であろう。英語教育を弱化することで、中国国民と国際社会のつながりを希薄化できる」と指摘した。
引用元:大紀元
宿題抑制、学習塾禁止令
政府による「義務教育段階の児童生徒の宿題および校外学習の負担軽減に関する意見」=命令
は以下のようなものです。
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また、郊外学習については以下のような指示が出ました。
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コロナ禍に中国政府は大胆かつ断固とした教育改革に乗り出しました。
中国の大学で外国語教師をしている私の仕事にも、中国人に混じって幼稚園に通い、小学校にも通う予定の娘の教育にも直結する内容なので、これはスルーできません。
今回の学習塾禁止令によって、倒産する学習塾が相次ぎ、実際に私の同僚のアメリカ人教師の恋人である中国人女性は高校生に受験英語を教える塾で働いていたため、職を失いました。
ここ20年ほど学歴社会で熾烈な詰め込み教育を行なってきた中国。
幼稚園から宿題が出され、小学校低学年の子供が宿題のために夜11時まで寝られない、週末も遊びに行けないという状況が社会問題になっていたので、宿題が減ったり塾に行かなくて良くなるのは子どもの健康と親の負担減という意味でいいと思います。
私はそれは大歓迎。
ただ塾の経営者や講師にとっては死活問題なので、やるならもっと猶予を与えて突然職を失ったり倒産したりしないようにすればいいのにと思いますが、そこは中国。決めたら突然通達・・・。
それ以上に問題は「英語試験を廃止、英語教育をやめる方向」に向かっていることです。
ほんの最近まで中国はみんな英語を学ぼう、国際化するんだ、国際社会で活躍できる中国人を育成するのだと幼児からの英語教育推しでした。
それがコロナ鎖国をきっかけに突然逆の方向へ舵を切ったように見えます。
政府にとっては”突然”ではないのかもしれませんが。
英語教育、さらに日本語含む他の外国語教育に携わっている者にとっては一大事です。
さらには
2025年以降、大学入試共通テストの英語を廃止!
と発表され、教育関係者、特に英語教育においては大混乱が予想されます。
我々大学の教育カリキュラムには直接的な影響はないものの、入試で英語がいらないとなれば高校までの期間に英語を頑張る生徒は当然減ることが予想され、また、英語を学ぶ環境の制限により英語をはじめとする外国語に触れる機会、異文化を見る機会も奪われ、子どもたちはどんどん国際社会から隔離されてゴリゴリの中華思想人間が誕生していく気がします。
ただ、悪い側面ばかりでもないかもしれません。
中国の大学入試「高考」、日本語がブームに
――英語より有利? アニメ好きも動機
中国で若者の一生を大きく左右する全国統一大学入試(普通高等学校招生全国統一考試、通称「高考」)がこのほど実施された。年に一度の試験に臨む高校生の数は年々、増加し、今回は過去最高の1078万人にのぼったという。激しい競争から現代版「科挙」ともいわれる「高考」を巡っては、意外なことに日本との関係が中国メディアなどで話題となっている。近年、受験科目のうち外国語で「日本語」を選択する学生が急増しているのだ
反対に私たちの言語「日本語」は大学入試で選択する学生が急増し、人気があるようです。
これも日中関係の行方次第でどうにでも左右されそうではありますが、日本語教師としては喜ばしいことです。
大学でも外国語学院の主力は「英語」で、これまでは英語教師が非常に重宝され、給与も高い傾向にありました。中米関係の悪化に伴い英語熱が下がっていくとすれば、ひょっとして日本語の地位が上がっていくかも?
実際大学側の扱いも英語教師と他の言語教師とでは差がある気がして、ちょっと面白くないと感じる場面もありますので、日本語の地位が上がって日本人教師ももっと大切にされれば言うことないです。
日本もそうですが、もういい加減に英語一辺倒から脱する時期ですね。
一般の人々の思いはまた別。
先日幼稚園のママ友の中国人といろいろ話をしたのですが、
政府が何を言おうと人民だって頭がないわけではない。
それぞれに考えがあるし、国が知らせたくないことだって今やネットを通して知っている。
英語を子どもにやらせたい親はこれからも手段を考えてやらせるだろうし
愛国教育を押し付けても外国に興味を持つ子は持つ。
そんなことは政府には止められない。
そんなふうに言っていました。
要するに「人民なめんじゃねえぞ!」ようなことことですね(笑)
今の大学生や教師たちに聞いてみても、情報統制や徹底した思想教育を学校や職場で受けては
きたけれど、個人個人それぞれに好き嫌いや興味や情熱があり、やっぱり政府が狙っているように
14億人丸ごと同じ思想、とはなってないみたいです。当たり前か。
だから外国籍の子供が中国人に混じって教育を受けることに対しても、
偏見やいじめや、思想の偏りについてそれほど心配しなくてもいいんじゃないか、と言う意見が
大多数でした。
子供の思想や価値観については親に寄るところが大きいので、
私が日本人としてきちんと日本的な思想、国際的な視野も伝えていけば
娘がゴリゴリの中華思想になることもないのかもしれません。
何か問題があったら、その時対処すればいい。
とにかく今の私の生きる道は中国にあるので
娘も順応してくれることを願い、応援するだけ。
ただ、小学校に外国人が全くいない今の場所で小学校に入れるか
もう少し外国人も多い大きめの町に移るかについては
自分の勤務先のことも併せてもうしばらく検討したいと思っています。