巨大シェアハウス福建省の土楼からみる幸せな家族の形。

異文化比較・雑談
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「旅サラダ」という番組で以前、中国福建省の旅を放送していました。

その中で福建省の南西部の山岳地域にある、土楼と呼ばれる客家人の共同住宅を訪ねていました。

こんな丸い建物。

巨大なシェアハウスです。ほとんどが12世紀から20世紀にかけて作られ700年以上建っているものが多いとか。

住人全員が家族(一族の意味)だそうです。取材していた土楼では現在は123人と言っていました。

2008年に世界遺産に登録され、観光客が入ることができます。(住居部以外)

3階建や5階建になっており、中庭のように真ん中に広場があって住居がぐるりと囲んでいます。広場の真ん中には結婚式や葬式などの一族の行事を行う場所があります。1階の台所や井戸などは共同です。上階には団地のようにそれぞれの家族の部屋があります。

テレビだから特別にある女性の寝室を見せてもらっていました。ベッドが2つだけのシンプルな部屋。とても清潔そうでした。

案内していた女性はとても穏やかな顔つきで「一族が守ってきたこの土楼でみんなと暮らせることが
とても誇りだし、幸せです。」と語っていました。

本当に幸せそうだなあ、と思いました。

外敵から守られたこの敷地内では安心して子供たちを遊ばせることができるでしょう。これだけの大家族で生活を共にしていたら「毒親」なんて考えも浮かびもしないでしょう。

「鍵っ子」なんて言って1人で夕方に留守番をしている不安な子供はいないし、仕事と育児のワンオペで限界で子供に辛く当たってしまう母親もいないだろうと思います。

日本が失った、大家族の形。

今の日本は機能不全家族だらけです。

母なるものを持たない母親。
愛情不足で育つ子どもたち。
家事育児の男性参加率は世界最低レベル。

保育園が見つからず仕事復帰できないと嘆く母親。夜9時まで習い事で忙しい小学生。郊外に家を購入し、2時間かけて通勤して子供の顔をみることもほとんどない父親。

家族間の凄惨な事件はあとをたちません。

あれあれ?
人間の幸せって何だろう?

この土楼の女性をみて少し前にテレビで見たブラジルの田舎の少年を思い出しました。

17歳くらいのその少年は家族3世代でお店を経営しながら一緒に暮らしていて、近所には親戚や幼馴染がたくさんいて昼休みにはいとこや幼馴染と一緒にゆっくりお茶を飲んだりカードゲームをしたりしている。

その時間が一番幸せなんだって言っていました。

「こうやって家族と一緒にいる時間が最高さ!」

17歳の少年がとてもキラキラした目でそう言いました。

東京にいるかな?そんな少年。

土楼の女性もブラジルの少年も海外旅行なんてしたことがないでしょう。高級車もないしエルメスのバッグもない。子供にバレエやバイオリンを習わせたりもしない。

だけど、「家族と一緒にいて最高に幸せ」きっと100%心からそう言っていると思います。

だって彼らが暮らしているその共同体は、安心・安全・ポジティブだから。

子供の声がうるさいと言って文句を言われることもないし、ベビーカーが場所を取っていることに謝り続けることもないし、ママ友やクラスメイトから仲間外れにされるのではと怯える必要もない。

やはり人間は内側の幸福がもっとも重要なのです。

外から見えること。
お金や家や洋服や学歴や習い事の数なんかより家の中が安心安全かどうかがもっとも大事。

夫に殴られない。近所の人に生活音で文句を言われない。子供を安心して遊ばせることができる。
孤独死の不安がない。

そう言ったことが何よりも一番必要で求めていることだって、日本人もぼちぼち気づき始めたようです。

シェアハウスや町家コミュニティの増加。移住者だけで共同体の村を作っている場所もあるとか。

熊本 サイハテ村

結局、人は人と繋がっていたいんですよねえ。昔の物々交換のように得意を売り買いしてみんなで協力して生きていく。

そういう社会に新しい形で戻りたいと思っている人が日本にも増えてきたように感じます。

 

 

 

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