【中国の大学の実態】中国で育っても子どもを中国の大学に入れたくないと思う5つの理由

中国学校生活
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【中国の大学の実態】中国で育っても子どもを中国の大学に入れたくないと思う5つの理由

 

現役の中国在住大学日本語教師で、子どもを中国の公立小学校に入学させた
日本人としては中国の教育事情に詳しい梨杏のタイトルについての
見解です。

入学式が軍事訓練ショーである

中国の大学では入学後3週間程度
全員軍事訓練を義務付けられます。

そして3週間後の入学式でその成果を
在校生と教職員の前でお披露目します。

これは政府からの愛国心の表現としての
要求なんだと思いますが、仮想敵国1位2位の
日本出身者としては穏やかじゃないなあ、と
思ってしまいます。

でも、今の大学生の年代は
幼少期から詰め込み教育で座学ばかりさせられ
体育すらまともになかったひ弱な肉体の子が
多いです。

ヒョロっとした若者が望んだわけでもなく
軍事訓練をさせれらているので
腰も力も全く入ってません(苦笑)。

先生たちもそれを見て笑っていたり。

真剣なのは軍官だけと言う・・・

初めて見たときは穏やかじゃないなあ、と思いましたが
今ではこれは単なるショーなんだと良くわかりました。

テレビで大々的に放送されている本物の軍事演習も
パフォーマンスにすぎない、とようやく
分かってきました。

ただ、娘が迷彩服を着るだけでも違和感しかありません。

ちなみに私の父は40年間本物の軍人(自衛官)でした。
(複雑・・・)

私はリアルに実戦で使う迷彩服を着て仕事に
出かける父を見て育ちました。

だからこそ、可愛い娘にこんなことは
させたくないです。

平和にいこうよ・・・・

勉強時間が長くて自由がない

中国は国全体に「自由」なんて言葉はないですが。

(あれ?社会主義の核心政策の1つに「自由」とあったような気が・・・)

日本や他の国なら大学入学は自由への扉といった感じで
「支配からの卒業!」(尾崎豊)
じゃないですか。

中国では支配はまだ続きます。

うちの大学の例で言うと

  • 強制自習がある(朝晩)
  • 早朝ランも強制である(1,2年生)
  • 欠席3回で出席点がゼロになる
    (日本だと学期の半分程度までセーフですよね)
  • 遅刻者は廊下のホワイトボードに名前を書かれる
  • 寮に住んでいるので生活も管理下にある
    (消灯時間が決まっている)
  • 宿題が多い
  • 学科の専門に応じて履修科目は基本決められており
    選択の余地が非常に少ない。

などなど。

教師の立場としては管理が楽なんですが
大学生にもなってこんなふうに義務教育みたいに
勉強させられるのは、なんだか可哀想な気がします。

必要ないんじゃないの?って。

大学まで来たら自分のやりたい専門の勉強を
やりたいだけやって
やりたくないなら他の活動をやって
自分が本当に好きなことは何なのか
得意なことは何なのか、っていうのを
見つける時期だと思うんですよね。

進学した結果
勉強より好きなことが見つかった、でも
いいわけです。

長い人生のスタートとして。

私のように英語学科に入学したけど
やっぱり中国語が好きだから
第二言語で選択した中国語をもっとやりたくて
ゼミは中国語学科に混ぜてもらった。

なんてこともあり得ますよね。

中国の大学でも英語学科に入ったけど
実は日本語の方が興味があるからといって
日本語のクラスを聴講している学生もいます。

それは可能だけど、単位はもらえません。
学科変更は可能だけど面倒らしい。

さらにコロナ禍になって大学はほぼ監獄と
なりました・・・・。

コロナ禍の中国の大学生の生活

  • 大学の外に出られない
  • 食事のデリバリーも注文禁止
    (食事は3食学食)
  • 長期休暇で故郷から戻ったら3度のPCRに加えて
    3日から7日間の寮内隔離
  • 故郷で陽性者が1人でも出た場合は学校に
    戻れない

前学期も封鎖管理で
4ヶ月間学生は病院や資格試験受験など特別な事情がない限り
校門の外に出ることができませんでした。

教師は時間制限はありましたが学校外に住んでいる人も
多いのでもちろん出られます。

昔は(2019年が遠く感じるな・・・・)
校門は開きっぱなしで、大学と関係ない市民も自由に
出入りしていました。

今では顔認証の自動ゲートが設けられ
保安が常に監視していて登録している人以外
出入りができなくなりました。

日本の大学では昔から市民や犬が自由に出入りしている
光景はほぼ見なかったので

中国や台湾のそんな光景が何だか
自由でいいなあ〜と思っていたのに残念です。

一度帰宅する際に学生が2人校門前で
ボーッと外を眺めていたので
「何してるの?」と聞いたら
「自由の空気を感じてるんです。空気だけでも。」
と言っていて切なくなりました。

大人扱いされない

大学生は大人でしょうか?

私はもう大人だと思っています。

途中で20歳の成人年齢を迎えるわけだし
親元を離れてもうある程度自立した生活が
できる能力を持っているはずです。

日本や他の多くの国の大学では
学生を子供扱いしないと思います。

学校に来るのも自由、来ないのも自由。
その代わり単位を落としたり留年するのは
自己責任。

まして卒業後の進路なんて
学校は斡旋してくれたり教師は相談に乗ったりは
してくれますが、責任までは持ってくれませんよね。

ところが中国では大学生はまだ子供として
扱われます。

生活指導がある

中国の大学には補導員がいます。

学生の生活指導をする先生。
え?大学で?

先生たちは学生の勉強以外のことにも
あれこれ厳しく指導管理します。

寮の掃除について。
友人との喧嘩について。
出席状況が悪ければ親に連絡したり。

家庭環境についても調査していて
干渉します。

日本の小学生か中学生のレベルですよね。

実際に先生たちは学生のことを「孩子」=子ども
と言います。

大学で恋愛解禁!でもろくにデートもできない状況

中国は高校まで恋愛禁止の学校が多いそうです。
中学までは絶対に禁止。

高校は隠れて交際している人も少なくないそうですが。

大学になってようやく解禁されるわけですが
寮生活のため、中学生のような交際しかできません。

食堂で一緒にごはん。
ここでめっちゃイチャイチャしてるのよく見ます・・。

教室から寮まで一緒に帰る。

一緒に授業を受ける。

夜学内の湖の辺りで語り合う。

なんて初々しい!

日本の大学生の奔放さなんて
彼らから見れば異次元です。

そのためか中国の学生は幼い。

見た目も話すことも。
色気がない人が多い。

性的に成熟する機会を与えられないためかな、
と思います。

卒業後の進路も干渉される

卒業生の就職状況は論文指導教師の成績の1つの
なります。

なので、学校側は指導教師に卒業後の状況について
追跡調査するように指示します。

大学院に合格!(教師も加点される)
就職決定!(加点)

その合計数で学校の評価も左右されるので
学校側も必死です。

大学院浪人生や就職未定者については
卒業後に催促が来るようです。

うわ〜あり得ないわ〜

私なんて当時流行のフリーターになりましたけど
大学に報告の義務もありませんでしたし。

サークル活動がほぼない

中国の大学全部がそうかは知りませんが
少なくとも私が知る大学では、サークル活動がほとんど
ありません。

日本語学科には「日本語クラブ」
英語学科には「英語ラボ」というサークルのようなものが
存在しますが、活動は多くないです。

1学期に数回日本料理を作ったり
お面作りをしたり、外国人教師と一緒に遊びに行ったりする程度です。

日本では大学といえばサークル活動が中心と言っても過言ではない、
ですよね?

私はワンダーフォーゲル(登山)部に入部して
ほぼ毎日サークル仲間と過ごしていました。

大学の授業の記憶はほとんどありませんが(汗)
サークルの思い出は強烈に残っています。

他にも3年生からは英語劇団にも入って
市民ホールで2回公演したのは
本当に刺激的で楽しい思い出です。

若くて体力も気力も時間もたっぷりある時代に
そのような刺激的な活動体験がほとんどできないのは
非常にもったいないと思います。

サークル仲間と汗を流して、同じ窯の飯を食べて
お酒を飲んで、語り合って、恋愛もして
それこそが青春じゃないですか。

中国の学生の課外活動は少しのボランティアと
ほんの少しのクラブ活動。

自分の興味に応じて活動を選ぶ機会さえありません。

高校までと同じように
ひたすら勉強、勉強、勉強!なのです。

そのまま急に社会に出たら
遊び方を知らない大人になりますよね。

アルバイトもやりにくい

中国では学生たちは基本キャンパス内の寮に住んでいるので
家賃はほとんどかかっていません。

無料ではないようですが、非常に安いらしいです。

ただし4人程度の相部屋です。

そして自由時間はほとんどないので
アルバイトをしている学生はほとんどいません。

親の仕送りで生活しています。
家賃がないので親の負担は少ないですね。

長期休暇に短期集中でアルバイトをする学生は
多いです。

お小遣いを稼ぐと同時に社会経験を積みたいと
思う学生は中国でももちろん多いのです。

その代わり4年生になると企業実習があったりします。
希望者でかつインターン先が見つかった学生だけの
ようですが。

成績や態度の優秀な子が企業実習に参加している印象があります。
学校側の推薦が必要なためでしょう。

軍隊式の学校生活

総合的に見て、軍国主義の中国らしく
学校生活の管理方式は「軍隊式」です!!

自衛官の父から聞いた独身時代の寮生活に似ています!

中国の大学生活のいいところ

よくないと思うところばかり書きましたが
もちろん何事もいい面と悪い面があります。

中国の大学生活のいいところを書いてみます。

クラスメイトととても仲良くなる

中国の大学はクラス制で、班長や学級委員までいます。

専門の授業は全てクラス毎に受けるので
クラスメイトとは毎日一緒に行動します。

寮もクラスの学生と同じ部屋のことも多いですし
クラスメイトの団結は日本の大学とは比べものに
なりません。

高校と同じです。

日本や他の多くの国の大学はクラス制ではなく
履修科目を自分で選択してあちらこちら教室を
移動し、同じ授業を受ける学生は毎回違ったり
しますので、「クラスメイト」という意識は
ないんじゃないでしょうか。

私はないです。

毎日同じメンバーと行動して仲良しになるのは
いい面と悪い面がありますが
サークルがない分、クラスメイトとの思い出が
青春の1ページになっているようです。

経済的負担が少ない

日本の場合、実家を離れて進学した場合は
学費に加えて家賃に生活費交際費、サークル活動費と
出費がかさみます。

裕福ではない親の場合は自分でアルバイトをして
補ったり、奨学金をもらって就職後に苦労して
返済したりと、結構大変な人も多いのではないでしょうか。

私は公立で学費が安かったので
家賃生活費は親が頑張ってくれました。

サークル活動費、私の場合は
登山用品に登山に行く旅費が年に数回かかって
それがかなり負担になったと後で親に言われました。

私はアルバイトはたまにしかしていませんでした。
親がお金はなんとかするから学校の活動に集中しなさいと
言ってくれていたので、甘えました。

同じサークルの仲間の中にはアルバイトで
月10万以上稼いでいる人も多かったです。

アルバイトで社会経験を積んで早く大人になるのも
いいと思いますが、アルバイトをする必要がなく、
学業に専念できるのもいいと思います。

特に中国はまだまだ学歴社会で
大学院進学を目指す人も日本よりは多いので
そう言った意味では経済的余裕はあったほうがいいですね。

これは学生にとってのいいところというより
親にとってのいいところと言えそうですが。

(特別編)コロナ禍でも大学にいられる

これは特別編というか、一時的な特殊な状況だと
思いたいところですが・・・もう3年ですけど。

コロナ対策で日本の大学の多くはオンライン授業を選択し
学生は入学以後一度もキャンパスに通ったことがないなんて
話がニュースでも報道されました。

長いところでは2020年から2年間も
ずっとオンライン授業で、せっかく借りたアパートも
大学に行けないなら意味がないと引き払って実家に
戻った学生もいるようです。

2022年になってようやく対面授業を再開する大学も
あるようですが、本当にオンラインだけだとつまらないですよね。

私も教師として1年間オンラインやりましたが、
学生の表情反応が見られない。

家にいて楽な反面、やりがいもなくてつまらなかったです。

「人と会いたい」

これは人間の本能でしょう。
会って表情や態度や空気を感じながらコミュニケーションするのが
人間です。

言葉だけでコミュニケーションしているわけではない。

まして新入生なら受験勉強頑張ってやっと大学生になったと
思ったらキャンパスに行けなくて、新しい友達もできない。
サークル活動もできない。

本当になんという時代でしょう。

中国の大学はみんな寮生活なので
大学が封鎖された場合は反対に大学内に閉じ込められます。

外に遊びには行けないけど
大学の中にいて友達と一緒に対面授業を受けることはできる。

先生やクラスメイトと直接の交流はできる状態です。

日本は学外に学生が住んでいるため
封鎖すると学生も大学に入れなくなりましたが

中国は寮に住んでいる教職員と学生ごと
封鎖しています。

いいんだか悪いんだか、ではありますが
少なくとも対面授業が受けられて
学内の活動にも参加できるという点では
日本の大学生よりは幸せなんじゃないかと思います。

まとめると、厳しく管理されるのが好きな人や
勉強に集中したい人、お金を節約したい人には
中国の大学がおすすめです。

コロナという戦争が1日も早く終わって
大学生に充実したキャンパスライフが戻ってくることを
心から願っています。

娘がどの国の大学を希望するかは
まだ12年も先のことなので
世界がどう変わっているかも全くわかりませんね。

今できることとしては
娘が日本語・中国語・英語のトリリンガルになって
幅広い地域から進路を選択できるようにサポートすることです!

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