「富士山が見えないから切った」中国資本のホテルが隣人宅のヒノキ23本を無断伐採してトラブルになっています。富士山の展望が人気の河口湖にあるホテル「雲ノ上富士ホテル」の実態、オーナー、トラブル詳細と中国資本による日本の土地とホテルの爆買いの実情を調べました。
隣人のヒノキを無断で伐採した中国資本ホテルは「雲ノ上富士ホテル」
週刊現代に掲載されていたモザイク写真からX民がホテルを特定していました。
週刊現代の取材記事には
開業はコロナ渦の2020年12月。経営母体はAという人物が代表を務めるM社で、Kホテルのほか、ウイスキー博物館や日本語学校などを運営している。
代表取締役にはAから始まる日本人の名前があり、取締役には二人の中国人の名前があります。業務内容は完全に一致、開業時期もほぼ一致しています。ただ、代表の秋山も通名で、実際には中国人で日本語も話せないそうです。
運営会社は「名人株式会社」
「雲ノ上富士ホテル」の売りと評判
中国の大手旅行サイト「携程旅行」(Ctrip.com)で調べてみました。ホテルランクは4つ星、評価は5ポイント中4.6で高評価です。試しにゴールデンウィークの5月1、2日で検索してみましたが、満室なのか予約ができない状況でした。
Xでは楽天トラベルとじゃらんでも予約ができない状況で、凍結かと言われています。
中国資本のホテル、楽天トラベル凍結か pic.twitter.com/TgKa0ypr3y
— ÁZUL(内分泌) (@AZUL3285) February 28, 2024
中国資本のホテル(雲ノ上富士ホテル)、楽天トラベルに引き続きじゃらんも凍結か。 pic.twitter.com/PzqfNnhPq2
— ÁZUL(内分泌) (@AZUL3285) February 28, 2024
料金は2名一室で一人36,300円〜となっています。
こちらはe-concierge というホテル検索サイトのページですが、見ただけでは中国資本とはわかりません。
アピールポイントは富士山の景観だがヒノキが邪魔していた
やはりアピールポイントは富士山の景観です。
部屋に備え付けの露天風呂から富士山を眺められる部屋もあるようです。確かに背の高い木がちょっと邪魔になっているのがわかります。
背の高いヒノキに邪魔されてちゃんと富士山が見えません。
ホテルの売りは「富士山の展望」ですが、実際にはヒノキが邪魔をしてちゃんと見えないと言うことで宿泊客からクレームもあったそうです。
ヒノキがない部分からはしっかり見えます。だから切ってしまったんでしょうね…。
画像:Ctrip.com
「ヒノキが邪魔で富士山が見えない」土地所有者に伐採をお願いするも交渉決裂
週刊現代によると、2021年8月、ホテルオーナーは通訳を通して「ヒノキが邪魔で富士山が見えない」などのお客様からのクレームなどもあり、土地所有者にヒノキの伐採をお願いに来たとのことです。
元々中国人オーナーはヒノキが生えてる土地も購入したかったそうですが、地主はこの人には売らず、日本人の井上さんに土地を売りました。この土地には20メートル以上のヒノキが300本以上立っていて、現在の土地所有者である井上さんはプライベートを守るために一部だけ残して雑木林を伐採したのですが、富士山の眺望にこだわるホテル側はプライベートを守るためのヒノキの伐採も求めてきたとのことです。
プライベートを守るためというと、おそらくこの土地には井上さんの住宅か別荘があるのでしょう。そこでヒノキを伐採するなら代わりに塀を立てて欲しいと打診したところ、ホテル側は費用を出して塀を建てると言いましたが、あとで費用の見積もりが1000万円と出ると「半分しか出せない」と言ってきたため、それならヒノキを伐採することはできないと井上さんは断ったそうです。
隣人不在の間に無断で敷地に進入、雑にヒノキを伐採
「2022年1月20日に現地を訪れたところ、ヒノキ23本が無断で伐採されていることに気づきました。幹そのものではなく枝がバッサリ切り取られていました」
富士山周辺、熱海に北海道「中国による日本の土地とホテルの爆買い」
中国はコロナ禍の間も着々と日本の土地やホテル、旅館を購入していました。人気の場所は静岡県熱海市や神奈川県箱根町、山梨県河口湖町、群馬県草津町、などです。いずれも中国人に人気のある温泉地か富士山の展望があり、東京からのアクセスがいい場所です。さらには京都の町屋、北海道ニセコなどのリゾート地も爆買いされています。
中国人による投資が増え始めたのは2016、17年頃だと言います。1997年に中国人の海外旅行自由化が始まり、2000年代に入って好景気で海外旅行ができる中国人が増え、中国人客を狙って日本の土地や旅館に投資をする中国人富裕層が急増しました。
今回問題になった富士山周辺ホテルは、なんと半分以上が中国資本になっているそうです。熱海で最高級クラスの温泉ホテルも中国資本、北海道では星野リゾートトマムが中国に買収されたことで有名です。
命とも言える水資源、森林、電力もどんどん買われている
中国人の買収で問題になっているのが水資源です。21年8月の西日本新聞の報道によると、熊本県の水源地を北京市の不動産投資会社が数年前に購入していました。他にも同様の動きが他県でも確認されているとのことです。
また、林野庁の統計によると、17年に外国の法人または個人が北海道で買収した森林面積は東京ドームの約11個分(約53ヘクタール)。そのうちの約半分(25・43ヘクタール)は香港を含む中国系資本によるものでした。
2020年には中国人が「沖縄本島から約20キロの無人島を買った」とSNSで投稿して話題になりました。
日本のメガソーラー事業の大半は“中国企業”が独占しており、中でも「上海電力」は、大阪での事業成功を皮切りに、日本各地の大規模な「メガソーラー事業」の受注に成功しています。中国企業の「スカイソーラー」は栃木をはじめ全国各地でメガソーラーの建設を行い、現在は日本国内で68カ所が稼働しています。
ほとんど制限なく外国人が土地を売買できたのは、世界196か国の中でなんと日本だけ
日本の土地を外国人に買われることで懸念される問題点
取得した土地の資源を奪われてしまう
まず、日本の現在の法律では外国人の所有している土地に対し、使途をほぼ制限していません。そのため、水源を買えば水資源が自由に使え、森林を買えば木を伐採して売ったりもできますし、鉱泉地を買えば温泉を掘ってリゾートを作り、客を呼ぶこともできます。
日本の領土内で外国人が日本の資源を使って外国人相手に商売ができてしまうわけです。これではただでさえ限りある日本の資源、そして世界でも有数の豊かで美しい自然がごっそり奪われてしまう可能性もあります。
このままでは国土の大部分が外国人所有になってしまう?
今のように自由に購入できる状態が続けば、日本の国土の大部分が外国人所有になってしまうのでは?と心配になっている人も多いでしょう。
実際には外国人所有の土地であっても日本の領土である限り日本の法律が適用されるので、実際に「国土を奪われる」わけではありません。しかし常識の違う外国人が土地を所有することで考えられるトラブルはたくさんありますし、今回の「無断伐採」のように実際に各地で問題が発生していると思われます。
お隣の大国の人々は非常に貪欲です。警戒はしなければなりません。
ようやく外国人による土地の売買を制限する動きが出始めた
2022年9月20日:重要土地等調査法の施行
外国人による土地の爆買いにようやく危機感を覚え始めた政府は、2022年9月20日に「重要土地等調査法」が施行しました。同法では下記施設・島の周囲約1㎞の区域内について、外国人を含めた個人・法人の土地利用状況を国が定期的に調査するとしています。
- 重要施設(防衛関係施設・海上保安庁施設・原子力発電所・空港など)
- 国境離島等(有人・無人問わず国境付近にある離島)
たとえば沖縄県の「石垣海上保安部」や東京都の「八丈島」などが上記の区域に含まれます。重要土地調査法の施行により、土地利用の自由度の高さを原因とする安全保障上の懸念がある程度払拭されたといえるでしょう。
2023年5月11日:国民民主党による外国人土地売買の規制法案提出
2023年5月11日には、国民民主党により「外国人土地売買の規制法案」が提出されました。「国内の土地が外国人に自由に売買されるのは問題だ。重要土地調査法だけでは不十分だ」として、外国人による土地の取得・利用実態を5年以内に調査することを政府に義務付ける内容です。
さらに同年6月16日には、日本維新の会と協議し内容を修正した法案を再提出。この再提出された法案には下記のような内容も盛り込まれています。
・土地だけでなく建物も規制する
・国が集中的に施策を策定・実施する責務を有する
・地方公共団体が国の施策に協力する
・取引前に事前届出をさせ、事前審査・立ち入り調査を行う
しかしこれはあくまでまだ法案の段階で施行されたわけではありません。ただようやくこうした外国人による土地売買・利用に対する規制を求める動きが強まってきており、近い将来何らかの制限がかかるでしょう。法案が施行される前に中国人が急いで買い占めないことを祈るばかりです。(中国も景気が悪くなってきているので以前のようには買えないかもしれませんが)
引用、参考
東京リスタイル
集英社オンライン
MONEY VOICE