カタールで行われていたサッカーアジアカップで、伊東純也が急遽離脱した日本代表は準々決勝でイランに1-2で負け、ベスト8敗退となりました。森保ジャパンは優勝候補だったので、世界に驚きが広がるとともに、伊東純也の性加害報道、刑事告訴からの代表離脱という衝撃が監督や他のメンバーに影響した結果ではないかという声もあります。この記事では伊東純也選手のサッカー経歴と日本代表での役割と期待値、抜けたことがアジアカップの試合にどのような影響を与えたのかを検証し、代表復帰はいつなのか調べました。
伊東純也選手の性加害騒動の流れ
・2024年1月31日 「デイリー新潮」が伊東純也の性加害疑惑を報じる
・性加害は2023年6月にあったとされる
・伊東純也は日本代表としてアジアカップに参戦中だったが1月31日のバーレーン戦には出場せず
・2月1日 日本サッカー協会が伊東選手のチーム離脱を発表→その後いったん保留
・1日 伊東純也選手は「性加害は事実無根」として女性二人を逆告訴(虚偽告訴容疑)
・2日 正式にチーム離脱が決定
・3日 日本代表は準々決勝イラン戦で敗退
アジアカップの日程と結果
- 大会期間:2024年1月12日(金)~2024年2月10日(土)
グループステージ
第1戦 1月14日(日) 14:30[現地時間] ◯4-2 vs ベトナム代表
第2戦 1月19日(金) 14:30[現地時間] ●1-2 vs イラク代表
第3戦 1月24日(水) 14:30[現地時間] ◯3-1 vs インドネシア代表ノックアウトステージ
ラウンド16 1月31日(水) 14:30[現地時間] ◯3-1 vs バーレーン代表
準々決勝 2月3日(土) 14:30[現地時間] ●1-2 vs イラン代表
アジアカップの最中に過去の件で告訴するのは悪質
性加害告訴とアジアカップの日程を合わせてみると、女性側は1月12日に試合が開幕して14日に伊東選手も出場している初戦で勝利したのを知ってから半年前のことで刑事告訴したことがわかります。さらに第3節まで勝ち進み、ラウンド16の試合が行われる当日に「デイリー新潮」が記事を出しました。伊東選手はこのバーレーン戦にベンチ入りしながら出場していません。2日に伊東選手が離脱し、3日の試合で日本は敗退しました。
国際試合の最中にメンバーが刑事告訴されて週刊誌に報道されてしまったら、チームの他の選手や監督も当然動揺しますし、出場選手選びやフォーメーションなど急に変更しなければならず、影響は当然あったと考えられます。
プロのスポーツ選手にとって国際試合がどれほど重要なものか、選手たちがどれほどのトレーニングと精神集中でそこに立っているのか、訴えを起こした女性も伊東選手と関わりを持ったことがあるというのなら知っているはずです。
試合期間はたったの1ヶ月弱です。半年前のことを告訴したり週刊誌にリークするのにわざわざ大事な試合の期間を選んだのは相当悪質だと思えます。このやり方は伊東純也選手を貶めたり、サッカー日本代表を敗退させたいなどの目的があると考えるのが普通です。
伊東純也のプロフィールと経歴
伊東純也選手プロフィール
画像:時事通信フォト
生年月日:1993年3月9日
年齢:30歳
身長:176cm
出身地:神奈川県横須賀市
ポジション:FW/MF
所属クラブ:スタッド・ランス(フランス)
大学から頭角を現した遅咲きの学生時代
小学校時代:小学1年生でサッカーを始める。地元の鴨居SCに所属
中学校入学前に横浜F・マリノスジュニアユースの入団テストを受けたが不合格。
中学校時代:横須賀シーガルズジュニアユースでプレー
高校時代:地元の神奈川県立逗葉高校に入学。横浜F・マリノスユースに所属
目立った成績を残せなかったものの、複数の大学からサッカー推薦のオファーがあり、2011年に神奈川大学に進学。
画像:中国足球报
大学時代:大学3年時2013年 関東大学サッカー2部リーグの20試合に出場し、17得点。得点王とベストイレブンを受賞し、注目を浴びる。翌年には同リーグで10得点・12アシストを記録してアシスト王に輝き、2年連続でベストイレブンに選出。
2015年プロデビューから日本代表まで
大学卒業後:獲得オファーを受けたヴァンフォーレ甲府に所属し、2015年、J1リーグ1stステージ第2節名古屋グランパス戦でプロデビュー。
第9節には鹿島アントラーズ戦で初のスターティングメンバーに起用。プロ初得点を記録し、この年はフォワードとして、リーグ戦30試合に出場し4得点を記録。
2015年、代表U-22日本代表候補合宿に初招集され、翌年のAFC U-23選手権2016では、予備登録メンバーに選出。
画像:中国足球报
2016年柏レイソルに移籍。1stステージ第8節鹿島アントラーズ戦で移籍後初ゴール。この年は最終的に、リーグ戦合計7得点を記録し、得点力のある選手として認知されていく。
2017年はリーグ戦全試合に出場、EAFF E-1フットボールチャンピオンシップで日本代表に初召集される。
第22節の清水エスパルス戦で、Jリーグ優秀選手賞を受賞。翌シーズンもリーグ戦全34試合に出場し、引き続き日本代表にも選ばれ続けた。
2018年キリンチャレンジカップのコスタリカ戦で日本代表初ゴール。パナマ戦でも日本代表2試合連続となるゴールを決め、2022 FIFAワールドカップ・アジア2次予選のモンゴル戦では、3アシスト、2021年3月30日のモンゴル戦では2ゴール3アシスト。得点に絡んでくる選手として注目を集める。
2019年2月ベルギーのKRCヘンクに移籍。チームはこのシーズン、リーグ優勝を果たしており、伊藤純也さんの成績は、14試合3得点2アシスト。
2022年フランスのスタッド・ランスに移籍。KRCヘンクは元々2024年までの契約だったが、伊東を獲得するために、スタッド・ランスが推定13億円以上とも報道される移籍金、2026年までの長期契約を用意した。Sランスクラブ公式サイトでは伊東のことを「ウルトラコンプリートウインガー」と紹介。「創造的で決定的。どちらのサイドでも1対1で勝利することができる」と付け加えた。
画像:日刊スポーツ
2022年11月W杯初出場。2月1日に行われたW杯アジア最終予選サウジアラビア戦で歴代最多タイの”最終予選4試合連続”ゴールを決め、試合は2-0で日本が勝利し、W杯出場権獲得を確定させた。窮地の森保ジャパンに現れた救世主と言われ、所属するフランス1部スタッド・ランスの地元紙「先発3試合」「15本のセンタリング」などと統計データを紹介し「もっとも危険な日本人」と評した。
画像:スポーツナビ
伊東純也選手の森保ジャパンでの立ち位置
画像:FOOTBALL ZONE
2024アジアカップで優勝候補だった森保ジャパン
森保ジャパンは2022年カタールW杯での躍進や去年もドイツを始め強豪を次々と撃破したことから〝史上最強〟の日本代表と称され、優勝が確実視されるムードが高まっていました。
準々決勝の相手イランは世界ランク21位、日本は同17位で、2019年の対戦時には日本が3−0で勝利していました。なのでこの試合は日本が勝つだろうと見ている人が世界でも多かったようです。
伊東選手は日本を勝利に導く「切り札」として期待されていた
画像:東スポweb
【アジアカップ】MF伊東純也が〝切り札〟と期待集める「ゴール決めてパフォーマンスで煽り倒して」
驚異的なスピードを武器とするプレーは、相手にとって後半から投入されると大きな脅威となる。そうした点から、ファンやサポーターからはネット上で伊東の起用に期待する声が続出。「途中から三笘と伊東は面白くなりそうだなあ」「途中からでも出て爆発してくれ伊東純也!」「伊東純也が途中出場で点決めます」「伊東純也普通にヘラヘラしててよかった 後半たのみます」「伊東、ゴール決めてパフォーマンスでめっちゃ煽り倒してほしい」「伊東純也ベンチも○ 切り札純也も嬉しいよね」「伊東くんは切り札的に使うんやろな? 守備も効果的にできるし、一人でカウンター完遂できるし!」と伊東が勝負所で森保ジャパンを勝利に導くとの意見が続出している。
伊東の大暴れに期待は高まるばかりだ。
東スポWEB1/31(水)21:14
【アジア杯】森保ジャパンがイランに逆転負け 歴代最強のはずがアジア8強止まり 伊東純也の離脱で交代策に影響も
この日は右ウィングで堂安が3戦連続の先発。逆転された直後の後半49分まで奮闘したが、右サイドのスピードスター・伊東がいれば先発起用も含めて違う選択肢もあった。カタールW杯では三笘、堂安ら交代カードが流れを変えた森保監督も、この日は勝ち越されるまで“二の矢”の交代策は打てず。
スポーツ報知2/4(日)5:30
【アジア杯】森保ジャパン4強逃す 伊東純也の離脱騒動…逆境に抗えなかったチーム力が浮き彫りに
ピッチ外の雑音を振り払う…強さは、日本になかった。大会中に性加害疑惑が浮上した伊東が、大一番の前日にチームから離れて激震が走った。誰よりも走って右サイドを制圧してきた男の不在が、攻守に響く。ピッチ外の混乱をかき消すべく、もがき、力尽きた。
日刊スポーツ2/4(日)5:00
「仮に伊東純也がいれば、また違っただろう。1人で打開できる存在は大きいし、戦術・伊東純也の試合もこれまで多かった。だが残念ながらこの試合は不在で、彼に頼り切った弊害も出ている」
ー元サッカー選手、解説者:金田喜稔氏FOOTBALL ZONE2/4(日)10:40
2022年の初出場のワールドカップでは攻守の両局面でチームに大きく貢献できる選手として森保一監督の信頼が厚く、アジア最終予選で出場停止を除く全試合に出場しました。今回の性加害報道を受けて離脱を発表された時もメンバーから「伊東と一緒にプレーしたい」と声が上がっていったん保留になるなど、監督とメンバーからの信頼がとても厚い選手と言えます。
そのため彼の離脱が監督の試合の采配には確実に大きな影響を与え、伊東選手の不在をカバーしなければならない他の選手たちにも本来不要だったストレスがかかっていたことでしょう。サッカーのようにチームの団結が不可欠なスポーツで試合前日に主要メンバーが離脱することがどれほど痛いことか容易に想像できます。
海外からも期待されていた伊東純也選手
フランスのマクロン大統領夫人も絶賛する実力
画像:時事ドットコム
フランスのマクロン大統領夫人ブリジットさんが、12月19日にフランス代表のディディエ・デシャン監督とランス大学病院のイベントに出席したとき、Sランスについて質問を受けた夫人は「とても上手にプレーする日本人選手がいるのよ。彼のお名前は?」と言い、報道陣から「伊東純也」との回答を得て「そう、伊東。彼は素晴らしい。フランス代表に選ぶべきです。なぜ彼を招集しないのですか」と隣にいたデシャン監督い問いかけた。
フランスの大手紙「レキップ」は3日、日本の準々決勝敗退を速報で伝え、「伊東純也の性加害疑惑報道がサムライブルーを混乱させたのだろうか?」「この試合結果は大きな驚きである」と報じました。
中国:足球报「伊東純也はいつも困難な道を歩いている」とタイトルにつけ、伊東選手の経歴などを詳しく紹介しています。
裁判で完全に決着がつくまで代表復帰は難しい。影響は長引くか
このように森保監督と代表メンバーはもちろん、世界から優秀な選手として注目され信頼されていた伊東純也選手。彼が抜けたことがアジアカップの敗退に影響したことは疑いようがありません。しかし、これから裁判が始まるため、影響が長引くことが心配されています。
世界のサッカー界では過去にも性加害などで告訴された選手がいますが、クラブでのプレーは継続しているケースが多く、伊東選手もクラブ側が試合出場を許可する可能性が高いと見られています。
ただ、日本代表としてのプレーに関しては
「たとえ伊東選手がクラブでプレーできても、代表活動は話が別。日本代表は多くの大企業が巨額のスポンサー契約を結んでいる。昨今はコンプライアンスに厳しく、特に性加害については各企業が神経をとがらせている。真相がはっきりしない今の状況で、伊東選手が代表でプレーすることは企業イメージを大きく損なう恐れがあり、スポンサーは絶対に許さないのではないか」(関係者)
とのことで、不起訴や女性側の告訴取り下げなど伊東純也さんの潔白が確定するまでは代表復帰は難しいのかもしれません。
伊東選手の選手生命にも影響し、日本代表にも甚大な被害のある今回の訴訟。伊東純也さん側には動画などの物的証拠もあるとして女性側の虚偽、週刊新潮の裏どりのない誤報との見方が強いですが、本当に嘘だった場合、女性と新潮には厳しい制裁を望む声が膨れ上がり、どちらも無傷ではいられないでしょう。